小山ドン足・ギャラリー
coffee jelly
ガッシュ 抽象画 サイズ : 240×330×10
俺たちの初めてのデート場所は白い壁のカフェ。 店内は薄暗くて重たい雰囲気を感じた。「俺たち高校生が来る場所じゃない?」思わず言葉が出た。入口付近にある階段が唯一明るい。「二階でもいいですか?」カウンターの女性が「どうぞ…」と冷たいような声で言った。窓際のテーブルに二人は向き合って座った。ブラインドから差し込む光が眼に映るものを光と影で包みこんだ。彼女の半分は影…半分は光。全身シマシマの彼女を俺はジッ…と見つめている。「俺もシマシマ?」笑ってうなずく彼女。 暫くして注文したものが運ばれてきた。俺はカフェラテを彼女はコーヒーゼリーを注文した。「乾杯」二人はカップを突き合わせる。「今度また会える日が来るのかな?」彼女が悲しい一言を呟いた。コーヒーゼリーの表面をミルクがグルグルと弧を描き広がっていく。俺たちはその様子をジッと見つめていた。「俺、今日の事をずっと忘れないよ」そう言って顔を上げると彼女も顔を上げたから2人の鼻先が触れ合いそうになった。2020年4月7日コロナウィルス感染症による緊急事態言。俺達は新学年を迎える事なく無期限の休校となった。その日、もう二度と会えないかも知れないと思って俺たちは初めてのデートをした。
作者:小山ドン足
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